Memories Off

【対応機種:プレイステーション ジャンル:アドベンチャー 発売元:KID】

 斜めから眺めればいくらでも『つっこみどころ』がありますし『人を選ぶ』シナリオかもしれませんが、できれば『年上パワー』まで見てから評価してほしいと思っています。本命は『ニンニンネコピョン』だったりしますが。

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ゲーム紹介と感想

 『メモリーズオフ』は、1999年9月30日(木)にKIDから発売されました。過去に哀しい想い出を持つ高校2年生の主人公『三上智也』が女の子との交流を通して…といったアドベンチャーゲームになっています。

 が、実は発売直前までほとんど興味がありませんでした。プレイステーション学園のナビさんに影響されてキッドのページを見に行ったのが『始まり』でして、そのときにパッケージの『翼』の意味を理解して『おもしろそう』と思ったわけです。それ以前から唯笑のイラストを見て気にはなっていたのですが、それだけでは購入に踏み切れずに買いそびれていた気がします。

 さて、システムの方はときどき選択肢が出現する一般的なタイプですが、操作性やメッセージ表示のテンポがよく、ストレスを感じさせない作りになっています。そして、セーブデータを80個も作れるうえに、セーブした場面が『サムネイル表示』されるので確認も簡単です。さらに、サムネイル画像を読み込んでいる途中でもロードすることができるなど、きちんと作り込まれていると思いました。

 そのかわり、ちょっと『むずかしめ』になっていて、選択肢で変動する好感度以外にも特定のイベントを見ていないとそれぞれのシナリオには入れないようになっています。私が遊んだ印象では、シナリオ前半の条件がちょっときびしめで、組み合わせに気が付かないと同じシナリオを繰り返してしまいそうな感じです。

 また、声も『絵の雰囲気』に合っていて個人的には気に入っている部分です。全てのセリフに声が入っているのですが、メッセージの表示速度がちょうどよいこともあって、あまりスキップしようとは思いませんでした。

 ただ、全体に『聴きやすい』声質なのですが、いずれも似た声になってしまっている気もします。主人公の家に電話がかかってきて『誰だか分かる?』と訊かれる場面があるのですが、私が初めて遊んだときは『声からは』誰か本当にわからなかったという想い出があったりします。

 シナリオの方は、キャラごとに違う方が書かれているそうですが、これまでに遊んだ範囲では、いずれもクオリティはかなり高いと思っています。シナリオ前半に登場する『ニンニンネコピョン』や『バナ納豆パン』などで好みがわかれてくるとも思いますが、個人的にはエンディングで『おつりがくる』と考えています。

 また『なぜふっきれたか』という疑問をよく見かけたり聞いたりしましたが、私は次のように考えています。というのは、主人公の悪友である『稲穂信』を紹介する場面で、

結構個人主義的な考えを持っていて、
誰かが重大な悩み事を相談したとしても……

「まあ、最終的にはおまえ自身が決断すべき事だからな」

とか言って、平気で人を突き放すようなタイプだ。

といった文章がありまして、これがシナリオを書かれた方々の『考え方の一部分』ではないかと思っているわけです。『私は私です』と、ある意味突き放される場面もあったりして、なんとなく私にはそういった雰囲気が感じられました。

 それでも、時には『背中を押して』ほしいとも思うわけで、それがとあるシナリオでの『がんばって』というセリフや『事件の真実』として現れているのでは…と思っています。あまり自信はありませんが、現在のところはこう考えています。

 あと、唯笑シナリオは『なにげない』できごとがあとになって意味を持ってきたりなど、たくさんの『伏線』が張られています。かなり考えられていると思ってまして、これだけ計算して書けるということは、唯笑の性格設定や『ニンニンネコピョン』などは完全に『確信犯』で作ったものではないかと思っています。これと同様に『シナリオ前半』は、本体である『シナリオ後半』を見せるための『フェイク』では…とも思っているのですが、こちらはちょっと『考えすぎ』かもしれません。

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