デスクリムゾン

【対応機種:セガサターン ジャンル:ガンシューティング 発売元:エコールソフトウェア】

 以下は1998年4月に書いた『顛末記』に修正を加えた文章でして、2000年2月の現在読み返すとかなり『むちゃ』なことを書いている気もしますが『せっかくだから』な精神で掲載しています。あとはリンク集で補完していただく、ということで。

---------------

第一章 偶然の出会い 〜あるいはハマリの入口〜

 『それは、数ヶ月前のことであった』。某書店で『超クソゲー』(太田出版)なる本を購入しました。あの名作、たけしの挑戦状に関する記事が購入のきっかけだったのですが、筆者の熱意ある各ゲームのレビューに引き付けられて、隅から隅まで一気に読んでしまいました。

 その中で、最も私の目を引いたのがデスクリムゾンでした。どうもガンシューティングらしいのですが、洋ゲーとしか思えない設定や画面の怪しい雰囲気にすっかり魅せられました。リンク集まで作成されているとのことなので、gooで検索をかけてみました。もちろんヒットしたのですが、名セリフとされる『せっかくだから』を含めても1500以上ヒットしたのには驚愕でした。

 それらの様々なページを読むと、繰り広げられるのは

などなどの言葉。これらのメッセージに

毒電波を感じつつ

購入を決意しました。高揚する気持ちを抑えつつ、その日は就寝しました。ちなみに、『超クソゲー』 を読んでもう一つ思ったこととして、

ゲームスタジオが終わっている感じ

がしたのが少し寂しいところでした。

---------------

第二章 必然の購入 〜あるいはこれ蛮勇なり〜

 翌日の朝、早速探索に出発しました。まず最初に向かったのは某CD店。この店ではワゴンセールで残ったソフトを安売りしてまして、『FIST』『エンジェルグラフィティ初回限定版』といったタイトルや、(後日保護したのですが)エコールの処女作『ぱっぱらぱおーん』を売っていました。残念ながらデスクリムゾンは見つからず、バーチャガンがあることをチェックして次の店へ。

 次は、小さい規模ながらソフトがそろっている某ゲーム店へ。サターン用ソフトも中古で勢揃い。こちらも期待していたのですが見つかりませんでした。

 そして、その近くの大規模なゲーム店へ。ここでデスクリを新品で発見し、この店でデスクリムゾンを税抜\5220(この店は基本的に全部一割引)の

ほぼ定価で購入

してしまいました。ちなみに、FISTやPLANET JOKERだったら絶対にこんなことはできません。近くにあった\1500位の中古FISTでもかなりためらって結局見送りました。

 パッドではすぐ死ぬからガンも手に入れないと、と思って店内をさがしましたが、その店では純正バーチャガンは見つかりませんでした。が、ウルトラマンで出てきそうな怪しい外国製ガンがあって迷ったのですが、動作するか不安だったので見送り。思い返すと、クリムゾンの雰囲気に近かったガンでして、これが今でも悔やまれます。ちなみに、後日この店に行ったときにはデス様は再入荷されていませんでした。

 結局、最初にチェックした店でバーチャコップ付きのバーチャガンを約\6000(2〜3割引き?)で購入。はやる気持ちを『抑えてはいるが』とりあえず帰宅する。ここまでの

行き当たりばったりの人生

を少し疑問に思いつつも自転車をこいでいました。

---------------

第三章 突然のゲームオーバー 〜あるいは佐藤の呪いか〜

 家で早速 CD をセット。当然バーチャガンをつないでいます。まずは社名ロゴを堪能してからオープニングムービーへ。期待通りの高い声に爆笑。ダニー・グレッグとの区別がつかないこの声については、すでに多くの方が触れているのでこれ以上触れませんが、家庭用ビデオを初めて使ったような画面にも感動しました。また、主人公『コンバット越前』については、足の長さが違うこともありますが、

左手がない!

ことにも少し驚きました。とにかく一回は見る価値があると思います。

 そして、ムービーを2回見てからゲームスタートしました。照準を合わせなかったせいか、敵に全然当たらずゲームオーバー。コンティニューして、やたらめったら撃ちまくる特攻を行うが、あえなくゲームオーバーでもうクレジット0。そのあと噂通りの

飛ばせない社名ロゴ

また出現。私の場合、この画面よりもあの少し宗教めいて聞こえる音楽の方が恐かったです。

 これはひどい、と思いましたが、気を取り直して照準を合わせます。『漢』らしくチャンスは一回。やはり、ホームページで見かけた通り、

ディスプレイにガンを押し当て照準合せ

するのが非常に有効でした。それでも少しずれましたが、まあ遊べるレベルになりました。といっても、私の場合、佐藤やムササビをついつい撃ってしまうので途中でゲームオーバーになってしまいますが。

 恐ろしいことですが、コンティニューと社名ロゴを繰り返すうちに、ついつい『次こそは』とプレイしてしまいます。予備知識が十分あったことも大きいのですが、不条理な難しさがこのような気持ちにさせるのだと思います。思えば昔、ファミコン時代の数々の不条理ゲームに、特に疑問を感じず熱中できた古き良き時代の記憶が蘇ってきました。ちなみに、パッドでのプレイは

極悪ゲームバランス

らしいので、恐くてこれまで一度も遊んでいません。と書いていたのですが、先日試してみて轟沈しました。これをパッドクリアできる人を私は尊敬します。

 また、『せっかくだから』バーチャガンに付いてたバーチャコップもプレイしてみました。もちろん画面は綺麗で、当然遊べるのですが、プレイしていて一瞬

デスクリの方が面白い

と思ってしまいました。個人的に、ガンシューティングはあまり好きでも得意でもないのですが、それを差し引いても

ほとんど人間終わっている

のではないかと、自己嫌悪に近い状態に墜ちてしまいました。

---------------

第四章 当然のまとめと考察 〜あるいはそして伝説へ…〜

 結局、ほぼ定価を出して購入しただけの満足度は得られたと思います。あとはクリアしてエンディングを見たいと思っているのですが、ガンでも(パッドでは絶対できない)難しそうなので裏技頼りになりそうです。非常に険しい道ですが、じっくり取り組みたいと思います。

 先駆者の方々がこの作品に引き付けられたのには様々な理由があるかと思いますが、ここではゲーム設定の面から少し考えてみます。日本語ではないと評されるストーリーですが、オープニングと合わせて好意的に判断すれば、まぁかろうじて認識できるという範囲だと思います。としても残る数々の謎が、魅力の一つとなっているのではないでしょうか。

 ちょっと無理があるかもしれませんが、この謎を残すという点で、私が思い出したのは『夏と冬の奏鳴曲』という麻耶雄嵩氏の推理小説です。謎が全て解けるのが前提の推理小説において、論理的解決をぎりぎりのところで不可能とした本作は、現在でもなお物議をかもしています。また、私は詳しくありませんが、エヴァンゲリオンも謎の設定が話題を呼んだと聞いています。これらの名作と同列に並べることは失礼かもしれませんが、共通する部分を感じずにはいられないのです。

 そして、最後にまとめますと、このゲームの難易度と、佐藤やムササビ(モモンガ)を含めた不条理さは、

すごいよ!! マサルさん

に通じるのではないかと思いました。とにかく歴史に名を残す作品であることは確かです。

---------------

戻る